全国の農家や漁師などの生産者と消費者を直接繋ぐアプリ「ポケットマルシェ」を運営する株式会社ポケットマルシェ(本社:岩手県花巻市、代表取締役:高橋 博之、以下 「ポケットマルシェ」)は、株式会社丸井グループ(本社:東京都中野区、代表取締役社長:青井 浩)、株式会社オレンジページ(本社:東京都港区、代表取締役:一木 典子)等の計6社を引受先とする総額8.5億円の第三者割当増資を実施したことをお知らせいたします。
【資金調達の背景と目的】
東日本大震災の現場で目にした「生産者と消費者のつながり」を日本中に広げるべく、高橋は2016年にポケットマルシェを立ち上げました。生産者と消費者が直接やりとりをしながら農水産品を売買できるポケットマルシェでは、売り手と買い手の関係を超えたつながりがこれまでに数多く生まれてきました。
withコロナ時代が到来し、東日本大震災から10年が経とうとしている今、生産者と消費者が直接つながることの価値はより広く認知されつつあります。昨年の資金調達時に約1,600名だった登録生産者数は約3,200名に、約40,000名だった登録ユーザ数は約210,000名にまで増加しました。新型コロナウイルスの感染拡大や自然災害の発生を受けて、生産者と消費者は共助の関係性を育み始めています。
この度、ポケットマルシェが掲げる「個と個をつなぐ」というミッション、そして「共助の社会を実現する」というビジョンに共感いただいた6社より、資金調達を実施いたしました。目指す世界を実現するべく、さらにスピードを上げて以下の取組みを推進してまいります。
1. CtoCプラットフォームの拡充
CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」を、より多くの生産者と消費者に活用いただけるよう、サービスの利便性を高めてまいります。特に、「個と個をつなぐ」というミッションを遂行するための機能追加や機能改善をいち早く実現します。
2. 生産者サポートの強化
「ポケットマルシェが生産者の代わりに販売するのではなく、プラットフォーマーとして生産者自身の販売力を強化する」という方針のもと、生産者へのサポートに一層注力してまいります。現在、ポケマル登録生産者向けに「SNSを活用した販売力強化セミナー」等を定期的に実施しておりますが、そのようなコンテンツをさらに充実させていきます。
3. オンラインとオフラインの融合
生産者直送の食材を店頭で購入できる「ポケマルスタンド」や、マルシェのようなリアルな拠点を増やし、生産者と消費者の情緒的な接点を新たにデザインします。また、CtoCプラットフォーム「ポケットマルシェ」とリアルな場を接続し、オンラインとオフラインの融合を実現することで、物流の課題解決を目指します。
4. 関係人口創出の促進
高橋が提唱した「関係人口」、すなわち「特定の地域に継続的に関わる人々」を増やすため、地方自治体との連携を強化します。都市と地方をかきまぜるための取り組みとして、都市住民が生産現場に足を運び生産者とリアルな接点を持てるような施策や、現地を訪れずとも地域を周りから支えられるような施策を推進してまいります。
【本ラウンドの引受先】※ 敬称略、五十音順
▼新規株主
● 株式会社オレンジページ
● ステージアップファンド投資事業有限責任組合
● せとうち観光活性化投資事業有限責任組合
● 株式会社丸井グループ
▼既存株主
● 小橋工業株式会社
● PNB-INSPiRE Ethical Fund 1 投資事業有限責任組合
【当社代表取締役 高橋 博之からのメッセージ】
生産者と消費者が直接つながるポケットマルシェでは、意思ある生産者が花開き、そこに意思ある消費者が呼応する。多数の「生産の物語」と多数の「食卓の物語」が地続きとなり、無数の心温まる物語を生み出す。規格に囚われた既存の流通システムが陥ったコモディティ化とは真逆の、代替不可能な唯一無二の物語を。それは、人間個々の尊厳が回復した世界でもある。効率を際限なく求める近代化で失われてきた人間の尊厳の復興には、個の再生が不可欠だ。
個と個が双方向でつながり継続すると、感謝に基づく関係が生まれる。そして、思いを寄せ合い、喜びや悲しみを分かち合う「拡張家族」のような関係にも発展していく。私たちは、そうした豊かなつながりを日本中に網の目のように張り巡らせる食の社会インフラを目指す。それが、近代の家族モデルが融解し、個が孤立を深めながら社会が流動化する時代に適応したセーフティーネットになる。また、自然災害が多発し、誰もが難民化するリスクから逃れられない時代に相応しいコンクリートによらない国土強靭化になると確信している。
このビジョンの実現に向かって加速するべく、今回、同じ天を仰ぐ企業の皆様から資金調達を実施した。「至誠天地を動かさん」の意気込みで、目指す社会の実現に向かって邁進していきたい。