株式会社ポケットマルシェ(本社:岩手県花巻市、代表取締役:高橋 博之、以下 「ポケットマルシェ」)が運営する、全国の農家や漁師などの生産者と消費者を直接繋ぐアプリ「ポケットマルシェ」は、2020年3月に登録生産者数が2,000名を突破いたしました。同時期にポケットマルシェ登録生産者へのアンケートを実施し、産直プラットフォームの利用実態をまとめました。
【概要】
2016年9月にサービスを開始したポケットマルシェは、3年半後の2020年3月に登録生産者数が2,000名を超えました。当サービスをご活用くださっている生産者の皆様に心より感謝を申し上げます。今後も、生産者と消費者を直接繋ぐプラットフォームとしてサービス改善に取り組んでまいります。
【登録生産者の内訳】
現在、全都道府県の生産者にご登録いただいており、ユーザは全国各地の食材をポケットマルシェ上で購入することが可能です。
出品されている食材のカテゴリは、「野菜」「果物」「魚介類」「肉」「卵・乳」「米・穀類」「お茶」「蜂蜜」「加工食品」と多岐に渡ります。
なお、ポケットマルシェへの登録時には、一次産業の生産者(個人、法人、当社の認めた任意団体)であることを審査にて確認しております。
【登録生産者アンケート結果】
2020年1月より、ポケットマルシェ登録生産者1,955名を対象にアンケートを実施し、210名から回答を得ました。アンケート結果から見えた、ポケットマルシェ登録生産者の属性や産直プラットフォームの魅力を以下にまとめております。
◆ アンケート結果サマリ
- 登録生産者の平均年齢は、44歳
- 登録生産者の約7割が、年間売上規模1,000万円未満の中規模生産者
- 登録生産者のポケットマルシェでの売上は、平均すると売上全体の7%
- ポケットマルシェ以外の販路として多いのは「農産物直売所での販売」や「知り合いへの直接販売」
- ポケットマルシェに感じる魅力は「消費者と直接コミュニケーションがとれる」こと
なお、同様のアンケートを2019年7月(登録生産者数1,500名突破時)にも実施しています。過去のアンケート結果はこちら( https://www.atpress.ne.jp/news/187843 )をご覧ください。
◆ 登録生産者の平均年齢は、44歳
登録生産者の平均年齢は44歳で、2019年の農業就業人口の平均年齢である67.0歳(注1)、2017年の漁業就業人口の平均年齢である55.6歳(注2)よりも若い生産者に、多くご利用いただいています。
29歳以下の生産者の割合は2019年の当社調査時と比較して4%増加しており、また、ポケマル登録生産者の平均年齢は2.5歳低くなっているため、若い生産者によるネット直販が拡大していることが推測されます。
注1:「農林水産省 農業労働力に関する統計」より
注2:「農林水産省 漁業就業動向調査」より各階層の中位数を用いた推計値。65歳以上の場合は「70」を使用
◆ 登録生産者の約7割が、年間売上規模1,000万円未満の中規模生産者
一次生産の年間売上規模は、1,000万円未満の中規模生産者が71.9%と多くの割合を占めています。2019年の当社調査時は72.2%で、ほぼ変化がないと言えます。
中でも、年間売上規模が300万円未満の生産者が38.4%で最も多いという結果になりました。
◆ 登録生産者のポケットマルシェでの売上は、平均すると売上全体の7%を占める
ポケットマルシェでの売上が、各登録生産者の一次生産物売上に占める割合の平均は、7%でした。食材カテゴリによって割合にばらつきが見られるものの、全体の平均は2019年の当社調査時より0.8%増加しています。
◆ ポケットマルシェ以外の現在の販路として多いのは「農産物直売所での販売」や「知り合いへの直接販売」
ポケットマルシェ以外の現在の販路で、最も多かった回答は「農産物直売所での販売」でした。
2019年の当社調査時には「農協・漁協への販売」が次点でしたが、今回は「知り合いへの直接販売」という回答の方が多いという結果になりました。また、「自社/個人のウェブサイトやSNSを通じての消費者への直接販売」や「メルカリや楽天」と回答した方の割合も昨年より増加しており、直販に力を入れている生産者が増えていることが伺えます。
◆ ポケットマルシェを知ったきっかけは、口コミやメディア露出が約7割
最初にポケットマルシェを知ったきっかけとして最も多いのは「ポケットマルシェ関係者(代表/社員)から」の情報提供で、次いで「インターネットでの記事」「ポケットマルシェ利用の生産者から」という結果になりました。
ポケットマルシェからの直接の発信以外を示す回答は、154件(注3)と全体の73%を占め、昨年に引き続き、口コミやメディア露出が認知の重要な要素となっていることがわかります。
注3:「ポケットマルシェ関係者(代表/社員)から」「ポケマル公式のfacebook投稿」「ポケマル公式のInstagram投稿」「YouTube」「イベント」「Facebook広告」を除く回答数の合計
◆ ポケットマルシェ登録の決め手は「消費者と直接コミュニケーションがとれる」こと
2019年の当社調査時と同様、「消費者と直接コミュニケーションがとれる」ことに魅力を感じて申し込んでくださった生産者が、最も多いという結果になりました。既存の流通では実現が難しい部分を、ポケットマルシェ利用のメリットとして認識いただいています。
◆ 「消費者と直接コミュニケーションがとれる」ことは、登録後も大きな魅力の一つ
登録後に感じた魅力は、申込み理由と同様に、「消費者と直接コミュニケーションがとれる」が最も多いという結果になりました。
ポケットマルシェは、消費者が生産者に対して「ごちそうさま」を直接伝えられるコミュニティ機能や、メッセンジャー機能を提供することで、生産者と消費者のコミュニケーションを促進しています。繋がりが深くなった結果、実際に生産現場を訪れるユーザも増えています。
ポケットマルシェは、今後も生産者と消費者を直接繋げ、関係人口を創出するようなサービス運営を推進してまいります。
<調査概要>
調査方法:インターネット調査
調査対象:ポケットマルシェ登録生産者 1,955名(うち、回答者 210名)
調査期間:2020年1月21日〜2月16日和歌山県と連携し、和歌山県産品特設ページを公開しました。
特設ページはこちらから。 https://poke-m.com/wakayama-meshi報道関係者各位 プレスリリース
2017年12月27日 株式会社ポケットマルシェ
ポケットマルシェ、iOSアプリ全面リニューアル 生産者による「手書きポップ」導入でマルシェ感がさらにUP
株式会社ポケットマルシェ(岩手県花巻市:代表取締役 高橋博之)は、全国の農家・漁師がスマホから出品するオンラインマルシェ「ポケットマルシェ」のiOSアプリの全面リニューアルを行いました。
【リニューアルの概要】
●「手書きポップ」の導入 この度、iOSアプリのデザインを一新し、生産者自らが書く「手書きポップ」をメインとしたUIに変更いたしました。見て歩くだけで楽しいリアルのマルシェのように、これまで以上に「生産者から直接買える」ポケマルらしさを体感できます。
●SNS機能の強化 これまでのアプリでは、フォローをしている生産者以外について、コミュニティウォールへの投稿を見ることができませんでした。この度「みんなの投稿」メニューから、日々生まれている生産者とユーザーの会話の全てを見ることができるようになりました。商品写真や説明、価格からだけでなく、会話の様子を見ながら食べ物を選ぶ。ごちそうさまを直接作り手に伝える。こうしたポケマル的世界観を実装しました。
【リニューアルに込めた思い/高橋博之】
これまでのアプリは、商品がずらっと並んでいて、商品名や値段がすべて同じフォントで無機質に書かれていました。これだと、スーパーの棚に陳列されてる商品と変わらないし、他の食のeコマースと何が違うのかもよくわからない。スーパーもeコマースも一度倉庫などに集荷してから消費者に届けられますが、ポケマルが決定的に違うのは生産者から直接届くことです。
実際のマルシェに行くと、出店してる生産者はみな思い思いの手書きPOPを出しています。筆跡はぜんぶ違うし、ペンの太さや色も違う。短い言葉で自分の生産物の特徴を伝える様々な工夫をしていて、ここに一番の個性が出ています。スーパーやeコマースに色濃くあって、マルシェに薄いもの。それは商品感だと思います。生産者が育てた生産物は命であり、本来は工業製品のような商品ではありません。
私たちは「食べもの」という幻想を食べて生きている、と京都大学の藤原辰史先生は言います。うまいこと言うもんです。そして幻想であるがゆえに物語は肥大化するとも。例えば「見た目」という物語。味はぜんぜん変わらないのに、見た目で食べものの価値が決まります。形がいびつな野菜は市場では売れません。形が同じで、汚れをきれいにとった食べものは、まさに工業製品そのものです。
また偽装という物語もあります。食べものに、過剰なパッケージと、過剰な添加物と、過剰な広告費を投入している現在の食品企業のおかげで、消費者は食品から生命を抹殺できるようになっています。このふたつの物語の背景には、食べものの由来の記憶を消そうという欲望が隠されているように思えてならないと、藤原先生は言います。
2018年6月から主要農作物種子法改正をはじめとする6本の法律が農業の世界で施行されます。ひとことで言えば農業の大規模化・効率化・企業化であり、ドローンを飛ばして種がまかれ、人の手をあまり必要としないような、新しい時代の農業の幕開けというわけです。地方の農山村を歩くと、農家の高齢化は目を覆うばかりで、耕作放棄地も広がる一方なので、国がやろうとしていることはその意味で合理的とも言えます。こうした工業的農業の進化も相まって、前述した食品企業が生み出す物語は、ますます強固なものになっていくでしょう。
ポケマルはこれとはまったく逆をいきます。食品企業がつくる物語とはまた別のリアルな物語を世の中が欲しているように思うからです。現在、生きものの生命を奪う場所「生産地」と、その亡骸を美味しく食べる場所「消費地」があまりにも遠くに離れすぎていて、もうひとつのリアルな食の物語が分断されています。だから、消費者にその物語は届かない。
生命が奪われていく過程と生命が育っていく過程を近づけ、生命が奪われていく過程に携わる人である「生産者」と、奪われていった生命を自己の生命維持のために取り込む人である「消費者」とを交流させ、融合させることで、「生物のサイクル(循環する物語)のなかで生きる私たち」を確認する。ポケマルは「食べもの」の美味しさを増幅させるような、感謝や祈りにも似た物語を生み出す装置でもあり、リアリティに枯渇する消費者の充足感を高めます。
本当にひとの心に残る「食べもの」は、その来歴が、食べる人を圧倒させるものだということを、ぼくは生産現場を訪ねる中で知りました。食品企業のつくる物語に、生産者と消費者が一緒に生み出す新しい物語を対峙させることで、食の世界は今よりもっと楽しく豊かになるはずです。このリニューアルが、その物語のはじまりになればと考えています。
【本件に関するお問い合わせ先】 株式会社ポケットマルシェ:本間(080-4612-7700/homma@poke-m.com)報道関係者各位 プレスリリース
2017年9月29日 株式会社ポケットマルシェ
ポケットマルシェ、ユーグレナ・メルカリと資本提携
総額1億8千万円の第三者割当増資を実施、食の生産者ダイレクトコマースを加速
全国の農家・漁師がスマホから出品するオンラインマルシェ「ポケットマルシェ」を運営する株式会社ポケットマルシェ(岩手県花巻市:代表取締役 高橋博之)は、株式会社ユーグレナ(以下、ユーグレナ)、株式会社メルカリ(以下、メルカリ)、PNB-INSPiRE Ethical Fund 1(以下、PIEF)を引受先とした第三者割当増資を実施し、総額1億8000万円の資金調達を致しました。
【「ポケットマルシェ」について】 「ポケットマルシェ」は、全国の生産者と会話しながら直接食材を買えるオンラインマルシェです。「ポケットマルシェ」の出店者は100%が農家もしくは漁師。旬の今だけ、数量限定、規格外など、今まで流通に乗らず地元でしか味わえなかったような食べものが並ぶ、「スマホの中のマルシェ」です。新経済サミット2017ピッチイベントで優勝するなど注目を集めています。
https://poke-m.com/
【第三者割当増資の目的】 「ポケットマルシェ」は2016年9月のサービス開始以来、「生産者と消費者を直接つなぐ」ことを理念に、農家・漁師から直接買える食分野のC2Cサービスとして運営を続けてきました。利用生産者は330名を超え(2017年9月時点)、その全員は審査を経たプロの生産者です。生産者には、出品から管理、顧客とのコミュニケーションまでスマホ一つで完結するスマホ業務アプリと、配送伝票が自動的に届けられる仕組みを提供。個人販売を始めたい、加速させたい生産者の販売プラットフォームとして成長を続けてきました。
この度の増資により、「ポケットマルシェ」のサービス改善および利用者拡大施策を展開。あわせて割当先と事業連携や共同事業を行い生産者と消費者のダイレクトコマースを加速させます。ユーグレナおよびメルカリとは、サービス連携などの手段により、より多くの消費者に生産者直送で食材を届ける施策を推進します。PIEFとは、PIEFの運営に参画しているPNBグループ(マレーシア最大手政府系投資会社)のネットワーク等を活用し、アジア圏への日本食材販売を推進します。
【本件に関するお問い合わせ先】 株式会社ポケットマルシェ:本間(080-4612-7700/homma@poke-m.com)