関係人口研究室は、当社が産直EC「ポケットマルシェ」の運営で培ったノウハウ等を活用しつつ、一次産品のオンライン購買を契機とした関係人口の創出プロセスを明確化すべく立ち上げた組織です。
そもそも「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉で、当社代表の高橋が考案した概念です。2016年に高橋の著書『都市と地方をかきまぜる』の中で、国内で初めて刊行物にて発表しました。現在では地方創生の看板政策となり、国土交通省、総務省、農林水産省、文部科学省、内閣府など省庁横断で関係人口の創出に取り組んでいます。
当社ではこれまで「ポケットマルシェ」や「ポケマル親子地方留学」の運営、自治体様に向けた「食を通じた関係人口創出事業」を展開するなど、関係人口創出を意図した取り組みを強化してきました。
2024年4月30日にはココホレジャパン株式会社と資本業務提携を締結し、ともに「関係人口研究室」の運営を行っています。
関係人口研究室では、消費者と生産者それぞれを対象に、産直アプリ「ポケットマルシェ」を通じた関係人口創出に関する調査を実施しました。その結果、生産者と仲の良いユーザの約7割が地域を訪れたいと回答し、100名以上が生産現場を訪問したことや、「お客さんが関係人口になっている」生産者は約6割おり、生産者の8割以上が「地域を訪れる形の関係人口」創出に意欲的であることが分かりました。今後も、生産者とともに関係人口創出に向けた取り組みを進めていきます。
産直アプリを通じた関係人口創出に関する消費者調査
産直アプリを通じた関係人口創出に関する生産者調査
当社では、“関係人口の創出”をインパクトとして捉え、2050年までに“2,000万人の関係人口の創出“を目指しています。そして、その短期的なアウトカムである以下の3つの指標を経営指標として位置づけ、実績をインパクトレポートという形で公表しています。
1.顔の見える流通額
2.生産者と消費者のコミュニケーション量
3.都市住民が生産現場で過ごした延べ日数
今後も継続的な測定・マネジメントを行っていくことで、都市と地方の間を行き交うヒト、モノ、カネ、コミュニケーションの循環を加速させ、都市と地方の境界線をとかしていくことで、日本中あらゆる場の可能性を花開かせていきます。
当社代表の高橋は”関係人口の創出”が地方の持続可能性に寄与することを説き続けています。下記リンクからは、高橋の講演の様子をご覧いただけます。
2024年1月1日に石川県能登地方で発生した能登半島地震発災直後より、当社代表の高橋は復旧・復興の最前線である能登半島沿岸部に入り、自治体のサポートや炊き出しの支援、生産者との対話を行ってきました。その中で、「能登の復興には金沢との接続が必要であること、そして石川県外からの人の往来を増加させること」つまり”関係人口の創出”が復興に重要である、と唱え続けてきました。
2024年3月には、石川県令和6年能登半島地震復旧・復興アドバイザリーボード委員に就任し、石川県創造的復興プラン(仮称)の作成に対して、関係人口の面から進言を行い「多様な形で地域のことに携わる関係人口を活かす」ことが創造的復興に向けた基本姿勢の一つとして採用されました。
2024年5月には、能登地方の創造的復興と、活力ある地域社会の形成・発展を目指して、関係人口創出の具体的な取り組みを進めるべく、当社と石川県で関係人口創出に関する包括連携協定を締結しました。本連携では、関係人口を活用した復興への取り組みはもちろん、地域情報の発信やコミュニティ・施設運営に関することなど、多岐にわたった取り組みを実施していきます。
当社では、自治体様と連携して、生産者の販路拡大および関係人口創出の取り組みを実施しています。生産者支援、販路拡大、関係人口づくりなど、段階や予算に応じて、柔軟にサポートさせていただくことが可能なメニューを用意しています。