日本の人口は2008年をピークに減り続けています。2050年には1億人を切る見通しで、社会の活力が失われていくことに悲観的な空気が蔓延しています。しかし、私たち雨風太陽はそう思っていません。むしろ人口減少をテコにこの煮詰まった社会を作り直す絶好の転換期だとポジティブに捉えています。
東京一極集中に見られる都市の過密と地方の過疎は、コインの裏表の関係です。戦後、全国各地の地方から多くの若者たちが集団就職列車に乗って東京に働きに出ていき、地方の過疎化は始まりました。人口増に伴って自然に生産や消費のパイが拡大していく時代においては、大都市にあらゆる人的リソースを集中させ、経済成長を最優先することがすべての問題を解決してくれましたが、人口減時代を迎えた現代において、人口偏在は逆に多くの歪みを生み出しています。
今、都市は過密で疲弊し、地方は過疎で衰退しています。だから、「都市と地方をかきまぜる」。都市と地方の間のヒト・モノ・カネの循環を加速させ、地方に関わりを持つ「関係人口」を増やしていく。大都市に集中し、くすぶっている人的リソースを地方に還流させ、息を吹き返させるのです。そして、都市の持つ高い生産性、良質な情報と、地方が持つ豊かな自然、潤いのある人間関係を結合させることで、都市の活力を地方に取り込み、地方のゆとりを都市にもたらしていく。
私たちは、食材系サービス、自治体支援サービス、旅行系サービスを通じて、都市の消費者と地方の生産者の接触面積を広げ、都市と地方のあいだに「関係人口」という希望を生み出していきます。私たちの事業が大きく育つほど、都市と地方はかきまざり、活力ある人口減社会へと日本は生まれ変わっていくはずです。
コロナ禍を経て、東京は再膨張を始め、地方の農山漁村の衰退に拍車がかかっています。このままでは手遅れになります。株主のみなさま、是非、私たちと一緒に《かきまぜ棒》になっていただき、都市と地方をダイナミックにかきまぜていこうではありませんか。そして、それぞれの自然、歴史、風土に紐づく地域が百花繚乱する日本社会を次世代に受け渡していきましょう。